宗教や神についての話題(雷堂さんへの回答から抜粋)1

クナウザスには数多の宗派があろうと思いますが、基本的には、この世界には神が実在するということなのですから、

創世主教や魔導王教以外は、明らかに虚神系信仰が多いはずです。

町に地水風火などの教会や寺院を作っているのはその正統派で、圧倒的な信者数を持 ちます。

一方、ちょっとずれた少数派もいると思います。

オゼリアを信仰しつつ邪悪、とか、有名なのは河童神(メシャド信仰を湖や川の淡水のみに限定、しかも神は男性化)、または

オゼリアを女に見立てて(水信仰とごっちゃw)ありがちな大地母神としているとか、

様々な宗派が考えられます。

 

 

(中略)

 

天空神ペックカエグゾッドは運命をつかさどり、世界全部を合わせると成るといわれる「総体神」の内部顕現ともいわれます。

しかし、この神はそれゆえにつかみどころ が無く、一番わけがわからず、「虚神(実体があるので超超生物ともいえる)」というより、

まさに神らしい(実存すら定義できない)「真神」ともいわれます。

 

そして、これらと関係する辺りから出てくるらしい、天空神の使徒ともいわれる「白き一本角の戦士」とは、

歴史上何度もある時に出現し、その世界の物理法則すら自由にする強力無比の力で世界に大きな影響を与え、消えていったという

伝承もあります(実在するある人間や生物に宿り、具現化するらしい)。

 

(中略)

 

「神」についてですが、四大虚神のように、生物のような、でもすごいような、というものや、

光や闇、天、無の神のように、空想的な神だけど実在するかもね、というようなものが、

「神」として人々に崇められていることもありえます。

 

これらの源は「神気」ともいわれ、そ神気を別の解釈をすればそれは魔力であったり素梵子力(精霊力)であったり

するかもしれませんが、基本的に、信仰の念力を流れの動力として集まっている力の総称です。

 

例えば河童神などは、実際にはいなかったのですが 、様々なところで延々と何億年も信仰されるうちに、

漠然とそういった、「神気生命体」のようなものが世界に解ける形で存在し始める可能性があります。

彼らはやはり神といった感じがします。「信仰に生み出された」といえば所詮信者の空想の産物、大したことはない

と思えますが、こういったものは因果を超越し得るため、時空の流れを逆にとって、

「自分を実体化させるために世界の生物たちを利用して信仰を作り出した」という風にいうこともできます。

 

河童神(四大など主要神と分けて、下級神などと呼ばれることも)ほどでなくても、

実際のかなり強い生物や、ある種の信仰の実体化、または誰かの強い霊魂などが「神」とされていることも

あると思います。

 

可能性は無限大にあると思います。

扱いに注意しつつも、大掛かりなキャンペーンを組むとき利用できるかと思います。


宗教や神についての話題(寺岡さんへの回答から抜粋)2

1、対立する神 

旧情報の「信仰」などに書かれていますが、属性として「反属性」はあります。しかし、多くの場合、互いを必要ともするため、けんかするほど仲がいい、という感じにも見えます。 

 

しかし、光、闇の神は当然犬猿の仲というもので、この二つは全く異色に強い自己主張を持ちます。 

他神は多神教(アジア・仏教)的、光・闇は唯一神(キリスト、イスラム)的です。 

 

2、神は概念か 

私は、企画黎明期に宗教や哲学の本を読んで信仰とはなんぞや、などを考えました。心理学も専攻したので、その観点からも検討しました(特にユング)。 

 

その結果、クナウザスという高次元世界があり、神が存在するには小さすぎる地球(低次元)と違い、高次元世界で神が具現化している可能性を仮想的におくことにしました。そして脳内で歴史を流し、シミュレートした結果、大変な矛盾が発生する可能性を感じました。 

ファンタジー世界(勇者をエンディングで祝福する聖なる神やドラゴンボールの「神様」のように)で私が漠然と感じていた不安、まるで万能だが生物の延長線上であるように感じられる(生物の定義もクナウザスでは拡張しています)神々の実在は、突き詰めると奇妙なものでした。

 

(※これらは長い歴史を経て「設定捏造」も受け、次第に現実を超えた存在となったメジャー宗教(キリスト教、イスラム教、仏教など)に対し、ギリシャ神話や日本創世神話の神々のように、おそらく実在の支配階級や主要戦争について描き、それが神化され、その原初状態で伝わった物と似ている。後者の神々や悪魔、魔物はよく見ると明らかに「(超優れてはいるとしても)人間味あふれる存在」なのである)。

 

クナウザス住人もそれを感じたのか、主要な神々は「虚神(きょしん)」と呼ばれています。むしろ、よりマイナーで実在しないようなものを漠然と「神」といったりすることもあります(しかし、影響力は大したことがない)。 

 

虚神はそのすさまじい力を、世界そのものの一部を構成するという莫大な影響力から、確かに神としかいうことはできないものですが、それをみたり話したりできる可能性もあるし、実在は科学的に証明できるという点で妙に神らしくない部分もある、矛盾した存在です。 

 

一方、光・闇も虚神でしたが、歴史上の戦争で「死亡」した後、「創世主教」「魔導王教」などのメジャー宗教の概念的コアとなっていきます。こうなると、もはや存在しないはずなのにかえって妙に神らしくなりました(この二つは善悪で二分する古いファンタジー世界の信仰体系の象徴でもあり、イデオロギー神という分類も可能)。 

何もかも謎とされる「天」の神もあわせ、これらは虚神に対して「真神(しんしん、またはましん)」とも呼ばれます。 

 

神や宗教に関することは、高次元であるクナウザスでも大変複雑で曖昧です。 

クナウザスRPGのシナリオで扱うときは「あまり人間化しない」ことが重要であり、「私たちの空想の域を超える存在」と仮定して慎重に取り扱っていければと思います。 

 

3、モンスターにも信仰はあるか 

あります。もともと、クナウザスはモンスターの世界であり、人類はぽっと出の新人でしかありません。混沌の時代こそモンスター(といっているのは人類の立場からであり、彼らはクナウザスの主要生物で、彼らからすれば人類こそ邪悪な破壊者でしょう)たちの源流であり、おもに闇の神などが信仰され、それも様々な流派、形態があります。闇信仰と他の信仰を合わせた土着系宗教なども多いと思われ、シナリオでは必要に応じて設定を作ってかまいません(もちろんすり合わせ必須)。 

高い知性、低い知性の魔物ともに信仰を持ち得ます。しかし、その信仰態度はあまりしっかり体系付けられず、自分の欲望をかなえる際の言い訳などにせいぜい使われることが多いと思います。 

 

4、神と種族の関係 

あります。元々、虚神は混沌の時代を終わらせた張本人です。現代クナウザスにつながる自然環境は彼らによって作られました。虚神たちが主に、人間にとって「善・調和」に感じられる存在であるのはそのためです。この混沌時代に比べると随分温和な(地球によく似た)緑の環境のおかげで人類は台頭を始めました。 

それまでは神にも匹敵するような超魔生物だらけの世界でした。 

彼らがおよそ滅び、人類は最初、虚神の配下の下位兵士であったり、より高いレベルの種族から退化してきた種族を祖先にしています。 

その、神話戦争のときに仕えていた祖先と神々の関係が、属性の関係性と直結します。 

また、歴史上、種族同士でも生まれた場所が近かったり共闘した経験のある種族はある程度仲がよかったりします。 

しかし、人類が生まれてから、もう悠久の時が流れました。今ではもはやその影響は薄まりました。神々も人類に世界を任せ、一線を退いているからでもあります。交渉についての得手不得手は設定上は多少あるのですが、現代クナウザスを舞台とする今回のゲームではそれは「誤差の範囲」として割愛するものとします(今後、「追加ルール」としてやってもいいが、そうするとシステムが複雑になるので、会議等で時間的余裕と必要性を検討してから)。 


主要な宗教団体

クナウザスの敬虔な信徒は幸せです。何しろ、世界に本当に神を見ることができる可能性持つわけですから(そうできなくても心に感じるのだ!と怒られてしまいますね・・すいません。このように、宗教に関する談義は本来慎重を要するものですが、ここでは便宜上、哲学や心理学の雑学を持って自分勝手に進めていくことをお許しください。ご信条と合わない表現があるときは、この文章は所詮ゲーム用に捏造されたくだらない妄想でありますから、そっ閉じをお願いいたします)

 

特に世界に強く実在を感じられる虚神は、四大神の他、樹神があります。また、虚神ほどではないが、神というに相応しい力を持ったものなどを信仰する(神学では「下位神」といわれるが、これは相当失礼な言い方なので、その信者には言わないほうがいい)宗教もあります。また、信仰のコアとなる虚神が本来滅びているのだが、別の対象や伝承と結びつき、かえって世界最大の宗教となったのが「創世種教」と「魔導王教」です。

 

そのほか、神の定義をまぜまぜにした複合的宗教、すでに滅び去った宗教など、星の数ほどあります(シナリオで必要な場合は定義してください。正式採用され次第公式情報に追加します)。ここでは、メジャーなもののみ書きます。

 

※なお、反属性というのがあります。火⇔水、地⇔風・天、光⇔闇です。ただ、光と闇以外は単に属性法則上の相反であり、敵対というよりも敬って避ける感じです。ゲームとしては、それぞれの反属性を突くと魔法などの効果が高い(その逆も然り)ことがあります。

 

~創世主教~

発生の経緯は「入植戦争」の項目を参照してください。ここでは現代の概要を説明します。

 

創世主教は、主に四大神と樹神の温和で人類を守るような思想が、人類社会の台頭とともにまとめられていったところに、異次元入植期に生まれた伝承を核として生まれました。しかし、その信条的根拠は「光の神ヒューラ」が「人類は世界の唯一神に仕えるものであり、世界を善と真の平和へ導かねばならぬ」という聖系の教えに基づいていることから、善や聖に偏っています。

 

そもそも「善」とはなんでしょうか。本来それは形の無いもので、絶対的に正しいものかどうかはよく見ると疑わしいのです。これはむしろ、「社会的生物が生存のために必要とする節理」であろうと思われます。しかしだからといってこれは低俗なものでもありません。むしろ、今の私たちがまだ見ていない、たどりつけていない、哲学者の語るような真に尊いものが遠い未来にあり、それが時空を逆行して人々の行いを導いているともいえます。

 

さて、こういった話はここでは脱線してしまうのでやめにしますが、善を主軸とする創世主教は主にアガデスで生まれましたが、その実は他教の複合体のようなものなので、思想自体は人類なら誰でも受け入れられ、多数の宗派に分かれながらも、総じて信徒の数はあっという間に一番多くなりました(また、中央大陸で開拓に成功したものたちが世界各地に海を渡り、他のところで拡大に苦心していた人類を助け、この宗教を広めたことも一因)。

 

魔導王教とは相反するものなので、当然敵対関係にありますが、「邪悪にも寛大さと哀れみを」というわけで、積極的に戦争するのではありません。これは暗に、闇を倒したことで消えてしまった光神についての反省も示しています。

邪悪なものが社会を攻撃する場合にのみ、その力を発揮して人々を守ろうとします。このときは積極的に軍事力を発揮しようとするため、その魔法は光系、ランク1から「ターンアンデット」を持ち、邪悪に対しては攻撃的にもなります。

 

 

宗派は主に「旧」と「新」があり、旧の方が多く、これは比較的調和的です。新のほうはヒロアの国教でもあり、邪悪を積極的に撲滅することに主眼をおきますから、魔導王教を国教とする魔国ゼナはこれを「敵性宗教」と断じています(とはいえ、攻め込んではいきませんが。国民のための建前みたいなもの)。

 

それ以外の他教団とも仲がよく、争いはほとんどありません。教団の力が強いため、王権もかなり注意してみており、協調しながらもその不正を見張っています。他教に比べ歴史が浅く、基礎になる虚神もいまやないため、不正や私欲を肥やしたり権力欲に取り付かれて王権に反抗しようとすれば即座に王権が彼らを潰す根拠を与えてしまい、全教団の危機にさらされます。何よりそうやって混乱を導けば、彼らの敵対する魔導王教のおもうつぼです。

そこで、地球の、時に不正まみれになる悲しいサガと違って、彼らは不正を見破るご神体(天を突く塔から持ち出した嘘発見器系のシステム)を持ち、自らを常に見張り、教団拡張も増えすぎて世界のバランスを崩すことのないように注意しています。

魔国ゼナもそうですが、クナウザスではバランスを失うとたちどころに世界の高次因果に潰されることが長い歴史を通して判明してきたので、それぞれの権威は、この世界での状態維持の難しさに対し、全力を傾けて対応しなければならないのです。

 

教会はかつて、エバダムにとって病院であり、看取りの家(当時、彼らがかかる病はほぼ治らなかった)でもありました。そのことから今でも、病気を回復する魔法を使って人々助けています(緊急時のみ。普通は家で自分で治す。なんでも神に頼ると免疫が弱り、厳しいクナウザス環境では人類は簡単に滅亡してしまうため)。

 

≪創世主教と関係の深い種族≫

・エバダム:歴史上、創世主教発生のきっかけとなった。

・アムセイド:入植戦争でエバダムとかかわりが深いため。また、創世主教が持つ「無」の属性(この宗教は光・天・無の属性を一緒にもっている)だが、アムセイドもエバダムも「無」属性なので、そういう意味で相性がいい。

 

 ~大地神教~

かつては世界最大、今は教義が似通っている(初期にその信徒の改宗者が多く混じった)ために創世主教に取られて数を減らしていますが、それでも第二位の宗教です。大地神オゼリアはディアネムル大陸北部のカルスト地形やアナケー地方がある広大な土地の地下深くに眠っている超超巨大巨人の姿をしています。「最も懐深き神」を自称し、「全てを癒しはぐくむ」性質を持つことから、聖系はもちろん、邪系生物も(少し自分たちに都合よく改変しつつ)信仰しています。

 

神話戦争初期、オゼリアは争い始めた水神と風神を「若造たちが喧嘩かね。やれやれ」といってはるばる海底を進み、仲裁に行きました。ところが二神にばかにされ、「一時休戦」で二神がこの「おせっかい」を倒しに向かってきたため激怒し、「地」がもつもう一つの姿、大地震の破壊力が体現する荒々しい部分を見せます。地神は彼らを撃退して満足し、「これでもう喧嘩は終わっただろう。眠いから寝るか」といって帰りました(・・・が、実際には戦争は激しさを増して続きましたw)。

 

このように、「父性」をつかさどり、性質はゆったりとしているが時折激しくかんしゃくを起こすような、オヤジ的なキャラが持ち味の神です。その宗派も実に様々で、中でも異質で大きなのは、大地神を水の女神と混同したことから始まったと推測される「地母神教」で、水と地による農業と豊穣の神で、豊満な母親のような姿をしているとされます(おそらく想像された神であり、姿を見たものはいないとされます。しかしクナウザスでは別項でも述べますが、それはまだ「知られていない」だけなのかもしれません・・)。地母神は名前がいろいろあり(有名なものは創世地母神「ジネバ」で、創世主教の母体にもなったか)、少女の姿として信仰(アンテワック教)しているものもあるようです。

 

教団は各町にあり、洞窟のような飾り気の無い寺院を作り、2階はないが地下構造を好みます。信者はまったりしていて、地神のように、多くを寝てすごします。しかし町が魔物に襲われるようなことがあれば、その守りと癒しの魔法、鍛え上げた肉体をもって人々の盾となり、頑強に戦います。

 

全てのメジャー教団(もちろん社会的なもの限定)と仲良くしています。

(※なお、ゲーム内の魔法体系は分類されているものの親の虚神に準じます。追加ルールで、下位神の魔法も作るかもしれませんが)

 

≪オゼリア神に近い種族≫

・ガンディオ(巨人族の端くれである彼らの祖先は、かつて地神軍の下位兵士であった。今でもガンディオの基礎属性は「地」。なお、基礎属性はゲームでは誤差の範囲として割愛するが、その能力設定に影響しているものとする。例えばガンディオの高いHPは体の大きさだけでなく地属性の表れでもある)

・スクージー(ディアネムル大陸原産のエンシェントキャットや犬者(荒々しく、共知ではない)と共通の先祖をもつ彼らは、厳しい生存競争に負けて一時絶滅しかけ、地下の巨大洞窟内「地内」に逃げ込んだ。この辺りからスクージーは地神をよく信仰するようになった。今でもポソ王国の住民に多くのスクージーがいる)

 

 

 ~水女神教~

オゼリアについで人気がある宗教ですが、それも近代以後のことで、女神メシャドは以前、最も少ない信仰のみを集めていました。主に人類が彼女を信じるため、人類の台頭とその信者数は比例関係にあります。水に関する信仰を持つ魔物は多いのですが、彼らはこの虚神ではなく、その下位神に帰依していることが多いのです。

 

最大の知性を有するといわれ、芸術や文学を司ります。その姿は成熟した若い女性のもつ美を最大限に表現しており、彼女の姿を見たものは一様に、「何だかよくわからない、覚えていないが、とにかくあんな美人はいないと断言できる」といいます。これは、この女神が世界の善性を映し出す「美」という属性を一身にまとっているためです(美は人によるため、その姿は多面的で一つになりえないのです)。

 

「女性」というように、その体躯は小さく人間と同じで、かつては「四大の中で最も弱い」といわれたこともあります。それゆえ、なかなか配下も集まらず(勝手に部下が集まる他神と異なり、本拠地のヴァサークローネに自分で創りだした「シュネーハイル」を住まわせて主要な配下としました。以後は戦闘を通し、付近の超生物と「同盟関係」を結ぶなど、苦労しました)、神話戦争では最初に暗黒神の標的とされ、その後も海洋帝国に攻撃されるなどの事件がありました。

 

初期は最大の知性と美を司るがゆえに性質も高慢ちきの高飛車、他人を激昂させる・・・という風に他神に思われていました。

 

しかし、実際は全く正反対なのです。彼女は風の神とともに「若さ」を司り、「老練」を司る地・火と異なる存在でした。彼女は神話戦争などの苦労を通してまるで人間のように学び、次第にその秘めた力を顕現していきます。それは、まるで水一粒一粒は小さいが、集まれば大海になるようなものです。また、その性質も真の優しさを内に宿すからであり(処女の恥じらい、母の慈愛。固体になったり液体になったりできる水の柔軟性と可能性)、ともすれば力で何でも解決してしまいがちな他神にストップをかける大事な存在でもあり、今では一歩下がった他神に代わって、虚神と人間の橋渡しのような役目も負っています。

 

(踏破者もヴァサークローネで、実際に謁見ができるかもしれません。その特異性ゆえ、彼女は「生き神」とも呼ばれます)

 

上にも述べたように、水の女神をそのまま信仰するのは最近の人類社会が始めたことで、神殿も美しく新しいものが多く、小さいです。ヴァサークローネのみ、巨大な氷の町そのものが神殿です。

寺院の中には常に水が流れる構造を持ち、信徒はよく水を飲みます(あれ、地球にもそういう人いますね。水健康法とか・・ 彼らも信徒か?)。また、雨を「いい天気」晴れを「今日はちょっとお天気に恵まれませんね」といいますw

 

彼らは穏やかな性質を持ち、人の話をよく聞き、日々勉強した知識で的確なアドバイスをするため、信者以外も心理相談によく訪れます。町の水質汚染などの事件があれば特に素早く動きます。水の魔法は支援系が多いですが、信者はメシャドの力を反映して冷気系の強力な攻撃魔法も後で覚えていきます。

 

このように、水には「清廉で癒してくれる」姿だけではなく、「冷たい、停滞、凍らせて殺す」といった暗黒面も存在します。メシャド自身すら当初、自身のそのような部分を把握しきれず、暴走する神気に悩み、「~の神」を名乗る超生物たちを認め(というか放置し)、彼らにその神気の支配をゆだねました。

 

こうしてできた下位神は邪悪な性質をもつ者が多く(アステカの神などのように生贄を求めたり)、魔族系に好まれ、共知の台頭で次第に消えていきました。河童神(地+水+闇)、雨神サプルホ、山河神シル、氷河神ミョーツなどがあります。

 

なお、海の神だけは設けず、自分で支配していました。海の力は莫大で、野放しにできなかったからです。しかしその締め付けも空しく「海洋神ラースリュ」を信仰する海洋帝国が出現、メシャドに戦争(というか一方的な奇襲)を仕掛けることがありました(しかしこれで海洋信仰は消滅したため、以後も海はメシャドが司る。しかしメシャド自体は冷気系の魔法を人類と同じように呪文で行使し、海系の術はほとんど使わない。これは、彼女が人類的な知性や梵子術を司り、その偏りを示すからである)。

 

(※これら設定は小説「光沢する沈鬱」より抜粋した)

 

≪メシャド神に近い種族≫

シュネーハイル:近いというよりほぼ親子関係に近い。メシャドがその類まれなる魔力で直接生み出した人種である。

ただし、メシャドを裏切って密林に落ち延びたシュネーハイルたちを先祖に持つ「カザリフスビー族」は火の属性に転向している。

 

 

~鳳凰神教~

風の虚神キルケスを信仰します。寺院としての組織力は低く、組織的な信者数は一番少ないです。しかしながら、漠然と心に「キルケス神が好き」とか「風に吹かれるように生きていきたい」といった人たちは存在し、特に帰依していなくても何かあると風の神に祈ってしまったり。仮にそういう「ライトユーザー」も含めると世界一になるでしょう。

 

その姿は巨大な鳳凰のようであり、四神の中で一番人型から遠いです。しかし、その性質は一番人間臭いともいえ、神話戦争のとき一番最初に攻撃行動に入ったのも彼で、神話戦争前期、「火が冷えて地ができ、水が注ぎ込まれ、最後に風が吹いた」という出所不明の創世を表すという童歌を「水の神が風は末弟という意味で流した」という噂が流れ、確認したところ、大変侮蔑的な返事がされたことから(全て闇の神とその協力者の陰謀)キルケスは激昂し、戦争勃発の引き金を引いたのでした。

 

「若さ」「青年のおろかさと強さ」「改革」などを司る彼は神話戦争を通して神格を成長させ、戦争の裏に潜むものに闇だけでなく光の神を発見、水の神とともに光の神と戦ってそれを退けます。その後は「面倒だから神としての支配をやめる」というむちゃくちゃな宣言をして本拠地の砂漠を放棄し、空のどこかに消えていきました。とはいっても、神であることを嫌だからとやめられるわけもなく、その信仰は弱まりながらも消えませんでした。その後、ふと現れ、異次元入植軍をどうしたものかと考えあぐねる他神に発破をかけ、まとめるきっかけとなったのもこのキルケス神です。

 

こうして有事の際以外はどこにいるかわからず、空をきままに散歩したりしているようです。「世界の大半、空気のある全てが俺の支配区域。よって、一番えらいのだ」と公言してはばからないこの神(虚神たちは皆自分が最高に偉い、強いと思っていますw)ですが、そうやって世界をパトロールして真面目に守っている、とも見えるのです。

 

このような神の性質に倣い、信者たちはかやぶきで作った粗末な(風で壊れるに任せるような。壊れると喜び、作り直す)塔のような寺院にすんでいます。あまり真面目に働かず(そのあたりは反属性の地神教とよく似る)、神官が突然張り紙を出し、「ちょっと疲れたので、旅に出ます。説法は風糸電話で行います」というわけで失踪したりすることも。これも、伝聞を集め、常に進歩するきっかけをつかもうとする神の思し召しのようです。

 

下位神で有名なのは「鷲獅子神(グリフィズ)」で、これは、かつてキルケス最大の配下であったグリフィン(の上位種ハイグリフォン)が神として奉られたものです。今ではグリフィズ系とキルケス系は同じくらいの数となり、どっちが本当の虚神なのかわからなくなっているほどです(もちろん、テキトー宣言を出しているキルケスとその弟子は、そんなことは気にも留めない)。

 

有事の際はなかなかに強い戦力(竜巻や雷の攻撃魔法を持つ)ですが、信徒は俗世に関わらないことを旨とし、よほどでなければ町の政治や軍事に関わろうとしません。これはかつてのキルケスが闇の計略で神話戦争のきっかけとなってしまったことの反省からだと思われます。

 

なお、彼らの寺院は癒しを行いませんが、転移を助けてくれます。緊急時に要人が他国へ行くときなどに重宝するため、各主要都市に請われて風の寺院が作られています。

 

≪キルケス神に近い種族≫

・レプトライト:ガラシャレーズル砂漠は最初、オアシスであった。海から陸に上がるように進化する形で(地球上の脊椎動物の進化を反映して)そのオアシスで暮らしていた「ルプル」という半漁人たちが住んでいたが、次第に一帯は砂漠化し、ルプルは追いやられるように陸路と海路でティルティル海の方へ旅立っていった。

しかし、その中で、うまく逃げれずに取り残された一団があった。彼らは滅びの危機の中で必死に適応進化し、砂の中で呼吸したり泳いだりできる爬虫類のような種族に進化した。これがレプトライトの始まりである。以後、キルケス神がここにふらりと訪れて本拠地としてからは風の神に仕えるようになる。

キルケスがいなくなった後、それを追うように、または海から陸に上がった先祖の「好奇心」を代弁するように、彼らは新天地を目指し旅に出た。人口はそれほど多くなくても踏破者としてどこでもよく見かけるのは、彼らが根っからの旅好き、風来坊だからだろう。

 

・ディアブレア:直接仕えていたわけではないが、グリフィンがキルケスの支配がなくなって各地の山脈に飛んでいったあと、彼らと交流した際に同じく飛行するものとして風の信仰に共感したようで、特に密林部族に、火以外に風信仰の部族が多く(または風+火の竜巻神)、これらの部族は比較的穏やかでユーモアがあり、協調しやすい(以後、イーマス構築の主要部族となった)。

 

 

~火戦神教~

核火神教が主ですが、それに次いで様々な邪教系として信仰されています。「死の焔(ほむら)」はその主要宗派です。

これは、火の神リグアが「死神」という一面を持つ現われです。火が持つ、破壊と再生の性質。前者を強調すると邪教系、後者は聖系になります。歴史上、長い間邪教系が優勢で、火といえば邪、暗黒の仲間、と思われていました。

とはいえ、リグア神自体は闇に組せず、それどころか闇の神が最も恐れる相手でもあります。この神は孤高であり、神話戦争でも介入は1回(しかも巻き込まれただけ)のみ。プライドの高い他の神々もリグアにだけは一目置いており、彼についてあまり話そうとしません(オゼリアだけは多少馴れ馴れしく接し、うるさがられますw)。

 

それもそのはず、「全て一様に強い」はずの虚神たちですが、「いくさ」を司るこのリグアの戦闘力は桁違いで、最強の内の最強であり、おそらく、混沌時代にいたどんな超生物でも彼にはかなわなかったであろう(それゆえ、もし当時の超生物が虚神に「環境変化で弱らせるのは卑怯だ。正々堂々勝負しろ!」といっても、やはり一騎打ちで負けてしまったでしょう・・・)と思えるほどなのです。

 

その姿はしかし、ひょろっとした骸骨剣士で、粗末な壊れた鎧とさびついてボロボロの剣を持っているだけです。しかしこれこそ「見かけによらない」の典型で、その「さびつきし刃(-163)」こそは世界で最も凶悪な威力を持つ剣といわれ、リグア専用(人間は呪いの力で持っただけで死ぬ)で、ひとたびふるうだけで山をも断ち、海を割り、風を裂くといいます(他の四大神が近づきたくないわけですw)。

 

こういった性質を自分でも知っているため、彼は「我こそは真に最強、示す必要も無く、知恵を使う必要も無い真理。我こそは全て。よって、世界のことは弱小の者どもにゆだねる」といって、どんなことをしても決して自分の本拠地である火山口のマグマ奥深くから出ません。彼が出て行くと、世界は火に包まれ、再生と破壊の、破壊の部分が強く出かねないからです(再生が必要なときに少し出ることはあります)。

 

それでも、彼が「冥府・邪の真の帝王」「閻魔大王」という呼称も持つことから、その名を名乗る闇の神は嫉妬にも似た怒りを感じ、火の神を計略で倒そうとしました。しかしあえなく失敗。「朕の眠りを邪魔された」という名目で(実は、火の神は神話戦争をずっと眺め、その陰に潜む闇の神を見抜き、世界のために自分が倒さねばならないと感じていた)中央大陸にもう一つの姿である巨大な腐龍の姿に化けて飛んでいき、闇の軍勢を虐殺、暗黒障壁の中に潜むツァルツを引きずり出して最強の剣で滅多切りにしてしまいました。

ツァルツは何度死んでも転生できるように色々な手を講じていましたが、その全てを使い果たすほど「殺されまくった」のです。それは目を覆いたくなる光景だったと思われます(しかし、火の神はなぜか闇に止めを刺すことはなかった。以後、「気は晴れた」といい、マグマの中に入って絶対に出てこなくなった)。

 

リグアは軍勢を持たず、火龍などが心服(というより、リグアを倒そうと挑戦して力でねじ伏せられ、遺伝子の隅々まで「この方に逆らっても無駄だ・・・w」と納得した)して従い、本拠地を守る程度でした。それでも、龍人族や魚人族など、熱帯雨林のあたりに住む種族が彼を信仰していました(主に邪教系)。ここに住み着き始めた荒々しい部族系人類も火を信仰しましたが、そこに、他大陸から少しずつおとなしい系統の種族もたどり着きます。彼らは厳しい環境の密林に耐え切れず、海岸沿いのわずかな平原に逃れて国を作り始めました。

しかし、密林からの邪教に攻撃され、何度も滅亡、復興を繰り返します。その中で、火の暖かさ、再生の癒しに着目した新しい宗派「核火神教」が人々の拠り所となりました。これが各所から流入する人種(特にホッピシュ、ガンディオ、レプトライト、ディアブレア)を強力に結びつけることになり、邪教を倒し、団結した彼らはついにイーマス王国を打ち立てました。

 

火の邪教は散り散りになり、部族は密林にかえってひっそり暮らしていますが、「死の焔」だけは「核系」になじめない人々を集めて古い邪信仰を大事にし、ディキルバハームという国を作りました。ここは信仰のみが支配する国で、まともな支配体系も無く、落ち着いて暮らしている中で、公然と恐ろしい殺人が「法的に」行われたりする、にわかには信じられない国です。何度かイーマスはこれを倒そうと軍を派遣しましたが膠着し、今では不可侵条約を結んで国境を閉鎖し、互いに無視しています。

 

核火神教はイーマスで、死の焔はディキルバハームで信者が多いですが、そのほかの国でも軍事支援に強い彼らは王権に重宝され、必ず町のどこかに寺院があります(しかも、鉄の精製と火属性は相性がいいため、その分でもファイターギルドと仲良し)。しかし、彼らは自分たちの持つどす黒い部分も知っていることから、自戒し、本当に必要なとき以外は権力の命令に従わず、武力も使わないことにしています。当然、戦争に加担することも基本的にはありません。

 

他の宗派とはちょっと微妙な関係で、会釈して通り過ぎる感じです。空けている時間が「午前中なし、昼から深夜まで」としているのも、火の象徴である「太陽」が上りきるのを待つため、というだけではなく、他教とずらすためだ、という噂もあります。

 

このように、光の象徴でもある太陽を司るなど、何かと闇・光とぶつかることが多い神です。この二神に目をつけられてもまったく動じることがないのは火神の戦闘力ゆえでもありましょう(倒したくても倒せない。光の神も何度か共闘を申し込んで断られた後は火の神を邪悪と決め付けて倒そうとしたが、闇の神の失敗を見てあきらめたらしい)。

 

下位神は、「閻魔大王」など、冥府信仰を持つ宗派ならどこでも思想として見られます。また、今でも邪教系宗派によく取り入れられています。もう一つの世界、謎とされる「霊界(6次元)」にも自由に出入りできるらしく、この神自体、かなり謎が強い存在ですし、寡黙なので仮に秘密をたずねることができても決して教えてはくれないでしょう。

 

≪リグア神に近い種族≫

ディアブレア:密林の火の部族の構成員として多かったため。ブレス吐き能力などはこの属性が反映されている。

 

 

~草木神教~

通称「樹神」ワーナーブ。ワーナーブは本来虚神ではなく、ロプトウィン(樹曼)の始祖の最高位者でした。

 

混沌の時代が終わり始め、世界に四大の力が満ちたとき、世界は緑に包まれていきました。四大が緑にしたともいえますが、むしろ四大は、緑の自然環境が彼らの理想とする世界を作ってくれた、と感じ、植物界を大いに褒め称えました。そして、その最も権威と知恵ある存在に、植物界の今後と自然環境の維持を託し、「神」として指定した(これは、まだ神話戦争も始まっていない頃で、神々は他神など意識もしていなかった。それぞれに「俺の世界」と思っていて、同時に偶然同じことをした、ということ。やはり世界の一部としてどこかで彼らはつながっているのである)。

 

これゆえ、虚神ではあるが樹神は最も力が弱く、敵の生物の攻撃にさらされやすいです。さらに、混沌時代の環境に戻したい多くの邪悪系生物には敵として認知されているからよく狙われます。そこで、彼らは本拠地を森の置く深くに隠し、場所を変えるなどして逃れてきました。さらに、神が寿命を向かえたり殺されたりしたときのために、神の卵である「神木」を世界中に植樹し、それを守る普及活動をしてきました。そのため、世界中に神なる大樹があります(ゲーム作品「MEDALION MASTERS」参照)。

 

世界には必要な力ですが、その力の弱さからあまり魔物系生物には人気が無かったのですが、やはり、協調を大事にする人類社会に受け入れられ、次第に信者数を伸ばしました。特に、創世主教の創設時に多数のロプトウィンが樹神の教えをもって改宗し、混じっていったため、その協調路線は創世主教の教えの骨子となりました。

さらに、以後の国際社会において創世主教という形で彼らの教えが生きています。

 

ではワーナーブ信仰そのものは費えたかというとそうではなく、人々が森を放棄して町に住むようになってから寺院自体はなくなりましたが、ときどき森の大樹の祭りで集まるときは小さな祠が奉られたりします。また、ワーナーブそのもののみを信仰する者が少ないからという理由だけでなく、今では安全な町があるものの、創設時の状況に倣って、本拠地をもたない、隠すということから、メイジギルドの中に樹神の祠があります。これは、樹神教のロプトウィンやシュネーハイルなどがその知性を活かしてメイジギルドに属すことが多く、彼らが仕事の傍ら礼拝できるように、という慣例からできたことです。

そのため、樹系の魔法を覚えたいモンクは、メイジギルドで習得できます(その代わり、寺院は普通無い)。

 

なお、今のワーナーブは昔のワーナーブと別人です。その理由は、彼らは基本的に人間が選抜されてなる(今ではロプトウィン以外もありえる)ため、寿命は長いとはいえいつか尽きるもの、最終的にはただの巨大樹木となって朽ち果てます。そうなる前に、ワーナーブが「転生」したと定められた神木を教団が指定し、ワーナーブとして育て、奉るのです。こうして代々続けてきましたが、温和かつ周りに敵が多いので内部で争っている場合ではない宗教ではありますが、幾度か分裂状態になった(南北ワーナーブ朝みたいな状態)もあったようです。

 

邪樹系の信仰も少なくなく、樹神系とは天敵同士というところです。その中でも最も有名なのが「枝穂の女王:サイルゴッツ」です。その宗教は「狂樹神教」といわれ、サイルゴッツは倒されましたが今でもひそかに信仰し、復活させたいと欲しているものがいるようです(小説「ピサラス」など参照)。

また、菌系の神の信仰は主にバッフアルで行われます。菌人種は大体敵対的であり、樹神教とも相性が非常に悪いです。

 

ワーナーブはその派生上、四大神を「偉大な神と崇めている」、ちょっと不思議な立場の神である(火は草木を燃やすことから、他神同様、リグアには崇敬と畏怖の念を持っている)。よって、四大教団の僧に会うと、先輩にあったかのように深々とお辞儀をする。創世主教団員には逆に尊敬されていて、説法にゲストとして呼ばれたりする。「植物界は腐敗も含み、かつて『清浄なる植物界』として闇に目を向けなかったことがかえって植物界の不正を招いた」という反省から、闇系教団に対して寛容で、潰すよりなるべく互いに共存の道を探ろうと模索する。

 

≪ワーナーブ神に近い種族≫

ロプトウィン:近いというより、ある意味子孫そのものでもある。当然、圧倒的多数のものがワーナーブを信仰しているが、ワーナーブを信じつつメインは他神、というモンクも多い。基礎属性もコテコテの「樹」。

ホッピシュ:「樹」の属性を持つもう一つの種族がこれ。自然界と昆虫の切っても切れない関係を考えれば当然なのかもしれない。

 

 

~天空神教~

(あー、、、、長文疲れた~~~ ので、すいませんが、ですます調に飽きたので、書きかたを変えます。特に意味は無いです、あしからず・・・)

 

天の神ペックカエグゾッドは、謎に満ちた神である。神話戦争の時代、主人公は四大であった。樹神は力が弱く、全く目立たない存在であった。

戦争末期、ようやく自分たちが陰に隠れていた光と闇の代理戦争をやらされ、謀られていたと悟った四大はばからしくなって(また、戦争の被害であまり動けなくなって)本拠地にこもるようになった。

 

このような戦争のとき、光と闇でもない、奇妙な軍勢を度々四大は目撃している。特に、空を飛び回るキルケスの報告は注目に値する(風と天は性質が近いためであろう)。

 

あるとき、全く謎の、エイリアンの飛行艦隊のような軍勢に遭遇し、周囲は宇宙のようになり、部隊から孤立した自分がどこかのずれた次元に転移させられたことに気づいた。この無機質な艦隊は風の神を攻撃し、彼は一人で必死に戦い、何とか時空の切れ目を見出して逃れることができた。

 

このようなことが何だったのかすら未だに判明していないが、伝承を分析している考古学者によれば、これこそは天空神の神話戦争に対する干渉であっただろう、ということである。ただ、その目的も効果もさっぱりわからないのである。

 

ペックカエグゾッドは様々な伝承による情報を総合すると、その姿は不定形であり、天空そのものがそれだという者もいる。司るものは芸術(特に音楽や楽器)、空想(スピリットの源流か)、邪悪な性質としては盗賊や詐欺師、異世界。

 

この邪悪な性質の根拠は、天神がなぜ現れたのかは、元々は四大がそう望んだからでもあり(ワーナーブと同じ派生)、しかし、彼らは明確に指定することはやめた。暗に何かが現れるかもしれない、と予期するにとどめたのである。その後、それを反映するかのように(神は思うだけで事象が起こることがある)天神が出てきたことから、それが「架空の存在」「捏造された存在」などを示すことにつながっていること。

 

自然環境が大体出来上がったとき、四大はここに相応しい昼夜や気候の変化を欲した。すでに四大の影響で温度差などのそれに近いものはあったが、どうもしっくりこない。自分たちの素梵子流動だけで作られる世界とは見かけ上、実に殺風景だと感じたのだ。嘘でもいい、捏造でもいいから、朝日に輝く地平線(オゼリアの空想)や照り輝く水面(メシャドの空想)、空一面の星空(キルケスの空想)、昼の焦がすような夏の太陽(リグアの空想)がみたい、と彼らは思った(それは奇しくも兄弟世界の地球でも形成されていくものだった)。

と、そのとき、それはすでにそこに出現していた。彼らは驚いたが、「まぁね、私は神だしね。願えば叶う、当然っしょ♪」とそれぞれに思ってすぐに忘れてしまった。この、虚構の天空現象や見せ掛けの気候現象を司るのがペックカエグゾッドだというのである。

 

このように、クナウザスでは天動説が「科学的に正解」であり、太陽や月は全て幻影である。本来の天神がつかみどころがないため、むしろこれらはっきり見える幻影が神として奉られ、信仰されている。「太陽神(光+天)」、「月の神」「星の神」などである。特に、クナウザスには天空上に月が2つ同時に出る(三日月、満月)こともあるし、それぞれの形の月を神として進行する多数の宗派がある。

ただ、どの宗派も少数派である。

 

天空神自体を強く民族全体で信じていたのが「エイリアス(星者)」という種族である。彼らは滅び、天空神教も消えてしまった。その魔法体系も謎に満ちており、総体神に最も近いといわれ、高位術法は時空をも操るらしい。術系が失われたため、魔法を覚えるのは他の属性の2倍のコストが必要で、最高位の「現実再構築」は人間には使えないとされる(使えるのは伝説の「白き巻角の戦士」のみか)。

光、闇、無とも近い性質を持ち、創世主教や魔導王教の教義(前者は楽器をよく使い、後者は詐欺をよく使う)にも影響を与えている。

 

寺院などは無く、小さな祠がある程度で、漠然と「私の神は天(中二風)」という人がいる程度。この宗教のモンクもゲームでは作れない。

 

≪ペックカエグゾッド神に関係の深い種族≫

スクージー:クナウザスで「運命に愛されし種族」といわれる猫たち。運命を司る天空神のお気に入りとも言われ、それゆえ、平均化進化が起こりにくいという説がある。よって、彼らの基礎属性は「天」である。天地は魔逆なのにこの種族が二つとよく関係しているのも面白い。

ホッピシュ:歌好きなところから影響したのか、彼らの饒舌、魅了、ちょい嘘つきな感じは天空神の影響もあるようだ。

アムセイド:不定形、ということから。また、近縁種ゼノセイドが「騙す」能力を持ち、自分たちはそれに染まらないようにするため、敵を知るという意味で、それを司る神に教えを請うように心の中に置く場合があるようだ。

 

 

~光神教~

聖と善を極限まで司る光の神であり、神話戦争を引き起こした影の張本人ヒューラ。本来闇の神と最も敵対するはずだが、四大を利用して闇を倒そうとしたが、四大が予想以上に強いのでそううまくいかず、まずは四大を弱らせて従えるべく、同じことを考えていた闇の神と一時休戦で共闘する形となった。

その姿は天の神に似て光に包まれよく見えないのだが、一説では(信者の夢の中では)、巨大な光の渦の中にライオンの顔のような姿があったという。

 

イデオロギー神の一種で、唯一神的。世界を善という一方方向に導くために何でもするという点では矛盾も犠牲も厭わないため、時折神に比べてか弱い存在である人間にとってはたまったものではない指令も平気で出してくる。

 

入植戦争時に消滅してしまった後は、むしろその真価を発揮したかのように(むしろ望んでそうなったとでも思えるように)、創世主教の主軸の教義として彼の言葉は人類を導いている(たしかにすごくいいことは言っているのです。ちょっと極端なのが玉に瑕)。

 

ヒューラは歴史の影にいることが多かったので、一部の密教的な存在以外は、創世主教という形でしか信仰されておらず(ヒューラという名前も無く、レリーフに獅子の絵が描かれたりする程度)、ヒューラ信仰自体の信者数はものすごく少ない。なお、光の術法は創世主教のモンクは習得できる。

 

その本拠地といわれる「ベルマリュニア大島」は、次元の壁に阻まれていて誰も入ることはできない。入ると必ず消えてしまうといわれる。だが、タラムの研究により、この中は別の世界が「観測上小さくまとめられて入っている」ことがわかり、中に入るということはすなわち裏返ってクナウザスの外に出ることで、うまく転送の衝撃に耐えれば別世界に「転生」できるともいわれる。しかし、それがどんなところかは不明。エルピースがそこに住んでいる、そもそもヒューラは死んでおらず、ツァルツと合一してエルピースに戻り、「クナウザスを滅ぼす予定された時刻」を待っているのだ、という怖いことをいう預言者もいるらしい。

 

≪ヒューラ神に関係の深い種族≫

なし

 

 

~魔導王教~

闇の神ツァルツおよび無の神ファーゼスが特に関係している宗教で、上記の神々と対極をなしている。一つの宗教だけで上記を合わせた信徒数を軽く超えられるのだが、それはあくまで魔物などを入れた数であり、人類でこれを信じているのは少数派で、およそ「悪」と呼ばれる人々や組織がその大半となる。

 

狭義の善により全てが一方方向に行くことが定められてしまえば世界は停滞してしまう(一度その危機がクナウザスに存在した。それが「神代の夢」といわれる1ヶ月)といわれる。光の神が仮に神話戦争に勝ち、全てが彼の理想の下に実現し完全平和がしかれていれば、そもそもあらゆるものは在ってもなくてもおなじになる。世界のことは「ヒューラとその仲間たち」という陳腐なタイトルでよくなってしまうのだ。よくあるファンタジー世界で(以下棒読み)「聖なる神が降りてきて、勇者よ魔王を倒してくれてありがとう、といいました。それからは聖なる光の神が世界を守り、世界は平和になりました」というエンディングを見ると漠然とした不安を感じないだろうか(いや、感じないですよね。私も感じません。何となく思考実験で書いてます・・)。この世界観は「一義的になり、これ以上発展しない、つまらなくなったので作品として破壊神に閉じられた」と、クナウザスの創作家なら言うかもしれない。

 

このようなことが現実としてクナウザスにはある。クナウザスにはいくつか現実的な終末論がある。その一つが、かつてクナウザス宇宙にある超巨大唯一惑星の半分を消去した「虚無神(破壊神)」とかいうよくわからない存在が、戻ってきてもう半分を消してしまう、というものである。その瞬間は、ちょうど、クナウザスが持つ「意義値」が一定以下になったときであるという。この意義値が下がる理由の一つが、世界の多様性が減少することである、と。

 

世界にはたくさんの生物と考え方の人がいる。皆なるべく争わないように、というのも大事だが、強制的に一方だけの考えで支配するのはとにもかくにも危険だということらしい。そういう意味では、闇の神も、それを信奉する魔導王教も、世界に必要な悪だということが言えそうである。

 

では、悪を活かし続けなければいけないのか。何とか、悪を最低限にして人々の苦しみやひどいことを少なくしつつ、世界は維持できないのか。できるかもしれない、とクナウザスの考古学者は言う。それが、世界の意義を再確認していくことにもなる踏破者の踏破活動である(「USB」の項目参照)。

 

とにかく、この宗派は闇の魔法を主に覚えることができる。メイジも覚えられるが、邪悪な術が多いので多くは「禁呪」といわれて学習や使うことは倫理的に禁じられている。しかし、「自分の中の善(絶対自由。総体神が世界を作るときに与えたもので、ある観点からすればこれこそ究極の善であり、それを止めようとする光こそ悪だという)」を極限まで突き詰める彼らは厭わず使うことができる。

 

 

もともとこの宗教は、魔族が持っていた「魔導王」という漠然とした信仰を基盤にしている。混沌の時代が終わり、その時代に帰りたい、世界を破壊して混沌に戻してほしい、という魔族たちの切なる願いが様々な魔王や魔神に反映され、最終的に、今の時代はこの魔導王というものに集約されているのである。

そのコアになっているのは闇の神ツァルツだが、それ自体は入植戦争で霧散してしまった。それで、無の神ファーゼスがその代理のようになって、今ではゼナの奥深くにあるという魔界の深層に彼は住んでいるらしい。しかし、その実際を知るものはいない。ファーゼスはすでに魔界にもおらず、どこかまったく別の世界に転移しているのではないか、という説もある。魔導王へ集まる莫大な信仰は彼を追って別の世界へ流れて別世界へ流出し、無として浄化されてしまう。その分は失われていた梵子が補償的に復活し、世界を常に循環させる換気扇のような役割を担う。こうして、強くなりすぎる悪への希求をうまくガス抜きし、現代クナウザスのある程度の安定化を実現しているのではないか。一度、強すぎる力に支配され、世界ごと破滅しかけた彼の出した答えがこれではないかというのである。しかし、無の虚神に関する研究はまさにほとんど「無く」、これらの論もマイナーな話題でクナウザス上では誰も考えてもみないのである(我々はゲームに使いたいという理由で偏って観測しているので却ってそれがよくみえるのであろう)。

 

彼らの教会は街には無く、シーフギルドの中にこっそり神棚があったりする。生贄を用いることが多いが、今では比較的温和な宗派は人間ではなくて家畜などを代用することが多いようだ。大きい教会などはそれ自体が小さいな村のようになり、ひっそりと隠れて信仰している。付近の町に迷惑をかければ潰されるし、付近の町も彼らを迫害すれば呪われるかもしれないので、お互い見てみぬ振りをするのが慣例になっている(互いに迷惑をかけなければOK)。

それでも時々やばい陰謀の影に関わったりして、クエストの中で踏破者の敵として登場することも少なくないだろう。

 

また、ここでいう魔導王は基本的にファーゼスかツァルツがコアであるが、かつて勢力を拡大した魔王クルゴードも一度この名を名乗っている。

 

≪ツァルツ神と関係の深い種族≫

・フィンダース:血統としては全員が闇なのであるが、今では社会化したため、創世主教や他教の人が大半である。それでも全体の人口も多いため、悪い奴もいるし、魔族人種+邪教というコテコテの人も少なくない。こういったことで、フィンダースを他種族連合で迫害する運動がかつて起きたが、それこそがまさに「人類共存」の思想からすれば邪悪であり、すぐに沈静化された。